ベンツtips

ベンツのエンブレムの由来と歴史

子供からおじいちゃん、おばあちゃんまで、誰もがその名を知っているベンツ。ベンツ社はドイツの技術者カール・ベンツ氏によって創設された、世界で最も古い車メーカーですが、どのようにしてその名が世界に知られるようになったのか、長い歴史に迫ってみましょう。

ベンツ社の創始者はドイツの天才技術者であり起業家だった

ベンツ8
ドイツの技術者カール・ベンツ氏は、父親が鉄道の機関士であったことからエンジニアを目指すようになり、工業学校で技術を学びその後独立。1878年に2サイクルエンジンを完成させると、自動車の開発を始めたのです。1886年に完成させた世界初の原動機付三輪車に、ドイツ政府から特許がおりたことから、特許がおりた日である1月29日は自動車の誕生日とされています。同年、ベンツ社を創設しました。しかし、この原動機付三輪車は時速が20km/h前後と、当時は馬車の代わりにはなる程度の性能でした。ベンツ氏はより良い性能の自動車の開発に取り組み、改良に改良を重ねました。数年後には当時始まったばかりの自動車レースに参加できるまでの高性能な製品へと生まれ変わらせたのです。1920年以降にはヨーロッパで盛んになっていたモータースポーツに参戦。数々の好成績を収めました。この後、ベンツ社はダイムラー社と合併し、ダイムラー・ベンツ社の誕生となります。ダイムラー社の創始者は、ベンツ氏と同じドイツの技術者ゴットリーブ・ダイムラー氏。このダイムラー氏は、ベンツ氏と同じ時代にほぼ同じタイミングで自動車を完成させていた技術者です。

結び付く2人の天才技術者の功績

ベンツ9
ダイムラー氏はベンツ氏とほぼ同時期に起業しているドイツの技術者です。幼い頃から機械好きで、工業学校に進学し技術を学ぶとエンジニアになり、1875年に世界初の4サイクルエンジンの運転実験に成功しました。これを機に自身の研究所を設立し、自動車の開発を始めたのです。1885年には、ガソリン原動機の特許を取得しました。これを二輪車に取り付けたものが世界初のオートバイとされています。翌年にはこの原動機が駅馬車とボートに取り付けられ、世界初の4輪自動車となりましたが、動力を備えた乗り物としての特許はベンツ氏の方が先に取得していたのです。このベンツ氏とダイムラー氏は、共に中流階級の育ちで、同じような環境で育ち、新しい機械技術に興味を持ち同じような道を歩んできたのです。ベンツ社とダイムラー社が合併したのは1926年のことですが、ベンツ氏より10歳ほど年上だったダイムラー氏は合併の20年以上前に亡くなっていて、2人が共同経営者として肩を並べることはありませんでした。同じ時代を生きた2人の天才の功績が合併に結び付いたのは、何か運命を感じさせるものがあります。

思いが込められたエンブレム

8515573295_e23870f6cf_z
ダイムラー・ベンツ社となったその後は、1950年代に24時間耐久レースで活躍したり、F1への参戦もしました。この頃に現在も名車として語り継がれる300SLが発売。300SLの発売はメルセデスベンツが北米に進出するきっかけになったのです。1959年に発売されたW111は、Sクラスの元で、1972年に発売されたW116はSクラスと称されました。その後も次々に新モデルを発表し、W123は、日本でのメルセデスベンツ人気のきっかけにもなりました。ダイムラー・ベンツ社は、その社名を1998年にダイムラー・クライスラーとし、2007年にはダイムラーと改め、現在でも元々あるクラスのモデルチェンジや、新モデルの発表など、「最善か無か」というコンセプトを掲げ、常に最高の車を作るという姿勢と共に、その歩みは止まることはありません。最期に、ベンツというとおなじみのあのエンブレム。皆さんご存知のあのエンブレムにも、企業としての思いが込められているのをご存知ですか?スリーポインテッド・スターと呼ばれているあのエンブレムには、陸・海・空の各分野での繁栄を願う思いが込められ、星の頂点がそれぞれの頂点を意味しています。

この質問にもあるように、たまに別のメーカーの車にベンツのエンブレムをつけたりしている人もいますが、それだけ、あこがれのブランドといえるでしょう。

Posted in ベンツtipsComments Closed